わくわく着物～着物の愉しみ～　臥竜亭へようこそ！

7～8月のお洒落着－紗紬

■ □■灰紫地色紗紬付下げに紗名古屋帯■□■
　悩みますよね、夏の着物揃え。着られる時期は短いし、袷以上に種類はあるし、欲しいと思っても予算はあるしで、もう大変です！　私は茶席が中心なので、『とにかく柔らか物だわな』と思っていました。が。見に行った呉服屋さんで、まず出会ってしまったのがこれ、紗紬です。紗紬は夏用の紬地で、基本的にはお洒落着。お茶席にはあまり向きません。しかし、しかし。なんとも微妙な灰がかった紫色といい、蝉の羽根を思わせるような、まさに「うすもの」という見た目といい、さらさらとした手触りといい、もうトリコ。マイ・ファースト・夏着物となりました。
　もうお洒落着と割り切って、趣味性いっぱいのコーディネートです。着物は小さな四角に、泥金で双葉のように見える抽象文様が描かれ、合わせた帯は、お太鼓の隅と胴に、小さく一匹の蛙の刺繍があるのみ。それぞれ地色が灰紫に小豆と渋いので、帯揚げ・帯締めは明るい色で明度を上げます。扇子を帯に挟んだら、ちょっとおすましなよそ行き、という感じに。